ノンリコース債務の免除益の所得分類が争われた事案について,第一審判決の判例研究を学内の紀要に発表し(青山社会科学紀要45巻1号59頁),第一審判決および控訴審判決の内容について日本税法学会の関東地区研究会にて発表いたしました(発表させていただき,本当にありがとうございました)。
研究会で配布した資料はresearchmapにて公開しています。ご笑覧くださいませ↓
藤間 大順 - 研究者 - researchmap
当該事案は,様々なアプローチが可能な事案だと思います。
私は,債務免除益の課税問題の一つとしてアプローチしました。他にも,タックスシェルターの問題(かつスキームが上手く行かなかった場合の問題)としても扱い得ると思います。私事ですが,M1の頃パラツィーナ事件について興味を持って勉強していたので,債務免除益の問題とタックスシェルターの問題が交差した事案はとても興味深かったです。
また,所得分類の問題の一つとしても,検討すべき事項を多く含んだ事案かと思います。不動産所得の要件について,第一審および控訴審はいずれもかなり突っ込んだ解釈をしています。
(10/20追記)
弊学法学部の木山泰嗣教授が執筆された本件控訴審判決の判例評釈(木山泰嗣「判批」税経通信71巻13号(2016年)174頁)にて,社会科学紀要の判例研究を引用していただきました。木山教授,ありがとうございます!
(2017/4/28追記)
弊学リポジトリにて公開されました。下記リンクよりダウンロードが可能です。
doi.org
また,ブログに書いたとおり,『平成28年度重要判例解説』にて引用されました。