What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

債務免除益課税の基礎理論(上)が公開されました

 青山ビジネスロー・レビュー6巻1号に,拙稿「債務免除益課税の基礎理論―事業再生税制の「資力喪失要件」に対する解釈を中心として―(上)」が掲載されました。修士論文「債務免除益課税の理論的根拠」に加筆修正を行った上で投稿したものです。

 (上)では,債務免除益課税に関する従来の日米の議論と,日本の事業再生税制(旧所得税基本通達36-17,所税44条の2)の適用要件(資力喪失要件)についての解釈論を整理しています。

 ご笑覧ください。

 

(11/9追記)

 リポジトリ公開されました!下記リンクより閲覧可能です。

青山学院大学 学術リポジトリ

ノンリコース債務免除益の所得分類(東京地判H27.5.21,東京高判H28.2.17)

 ノンリコース債務の免除益の所得分類が争われた事案について,第一審判決の判例研究を学内の紀要に発表し(青山社会科学紀要45巻1号59頁),第一審判決および控訴審判決の内容について日本税法学会の関東地区研究会にて発表いたしました(発表させていただき,本当にありがとうございました)。

 研究会で配布した資料はresearchmapにて公開しています。ご笑覧くださいませ↓

藤間 大順 - 研究者 - researchmap

 

 当該事案は,様々なアプローチが可能な事案だと思います。

 私は,債務免除益の課税問題の一つとしてアプローチしました。他にも,タックスシェルターの問題(かつスキームが上手く行かなかった場合の問題)としても扱い得ると思います。私事ですが,M1の頃パラツィーナ事件について興味を持って勉強していたので,債務免除益の問題とタックスシェルターの問題が交差した事案はとても興味深かったです。

 また,所得分類の問題の一つとしても,検討すべき事項を多く含んだ事案かと思います。不動産所得の要件について,第一審および控訴審はいずれもかなり突っ込んだ解釈をしています。

 

(10/20追記)

 弊学法学部の木山泰嗣教授が執筆された本件控訴審判決の判例評釈(木山泰嗣「判批」税経通信71巻13号(2016年)174頁)にて,社会科学紀要の判例研究を引用していただきました。木山教授,ありがとうございます!

 

(2017/4/28追記)

 弊学リポジトリにて公開されました。下記リンクよりダウンロードが可能です。

 

doi.org

 

 また,ブログに書いたとおり,『平成28年度重要判例解説』にて引用されました。

始めました。

 冷やし中華が終わる頃ですが,Blog始めました。最初なので自己紹介をば。

 税法学の研究をしている博士課程の大学院生(2016年現在)です。現在,債務免除益の課税問題(特に個人所得課税)を研究しています。

 修士課程(博士前期課程)から税法の世界に飛び込みましたが,学部生の頃は哲学を勉強していました。卒論はエトムント・フッサールの『デカルト的省察』について書きました。哲学はもう結構忘れ気味ですが,精神の奥底に何か残っている…と信じています。法哲学にも興味があります。詳しくないので教えてください。

 趣味は合唱(特に男声合唱)です。趣味のことはあまり書かない予定です。

 こんな感じのしっちゃかめっちゃかな人間です。宜しくお願いします!