昨日,若手法学研究者フォーラムの第8回集いが実施されました。
昨年行われた前回の集いについては,下記の記事を参照。
taxfujima.hatenablog.com
例年の集いは東京にて対面で行われてきたのですが,新型コロナウイルス感染症対策のために,今回はオンラインにて行われました。
オンラインでの開催ということで,フォーラム主催者で現在はドイツに留学中の横田明美先生や,ドイツからもう一方,また日本国内でも関西方面からの方々など,様々な人にご参加いただくことができました。横田先生のブログの下記の記事のとおり,普段はオンラインにて若手の法学研究者が交流している集まりなので,オンラインでの集いの開催に親和性があったように思います。議論が大変盛り上がり,とても楽しい機会になりました。
kaffeepause-mit-ihnen.hatenablog.jp
今回の集いでは,3人の方が報告をしてくださいました。いずれのご報告についても,公表される前の内容なので詳細は避けます。
まず,早稲田大学博士後期課程の吉田朗さんが,ご自身の現在の研究の一部を論文化した内容についてご報告されました。吉田さんは,私と一緒に当フォーラムの運営面で横田先生をお助けしている方であり,保険法と行政法や環境法が重なる独自の分野を研究されています。今回の内容についても,大変ダイナミックかつ重要な議論をされていました。
次に,一橋大学博士後期課程であり日本租税研究協会主任研究員の堀治彦さんが,今後の研究テーマの構想についてご報告されました。堀さんは,私と同じ税法学分野の研究者であり,主に国際課税関係の研究をされています。個人的にも色々とお世話になっている方です。博士論文の執筆でご多忙ななか,次のテーマに目を向けられていて,その内容がとても意欲的で面白かったこともあり,色々と示唆をいただきました。私も質問をしました。
最後に,西村あさひ法律事務所の玄唯真先生が,もうすぐ発表される論稿についてご報告されました。玄先生は,弁護士として実務に携わるとともに,みずほ学術振興財団第60回懸賞論文にて受賞されるなど,研究活動も積極的にされている方です。今回の論稿も,比較法的見地を交えた充実したものであり,とても勉強になりました。
3人の方のご報告の後,「オンライン研究会で思ったこと」として,横田先生の仕切りでプチ研究ハックフォーラムが行われました。その後,懇親会に移りましたが*1,法学研究とは何ぞや,とか,研究者の使命とは,といったような,とても興味深い(でも飲み会でしかできないような)会話がオンラインでもできて,大変楽しいものになりました。
今回の集いで,私は司会をつとめました。
研究会の司会は初めての機会でしたし,オンラインでの研究会の経験もそこまでありませんし,少し緊張していました。学会や研究会で良くあるらしい時間の大幅な超過があったらどうしよう,ということも不安に思っていました。ただ,横田先生のご指導や吉田さんのご助力に加え,報告者や質問者の方々が時間をキッチリ守ってくださったことで,全体として時間通りに進行することができました。ありがとうございました。
運営側として今後に活かしたい反省点もありましたが,上述のとおり海外から参加できることなどのオンラインだからこその良さも見つかって,概ね良い機会になったのかな,と思っております。
元々,色々な法分野の若手が集まるとても楽しい集まりでしたが,オンラインでの集いの開催という新たな試みも成功裡に終わり,若手法学研究者フォーラムはより楽しいものになっていくのだろうと思います。上記の横田先生のブログ記事を読んで,参加要件に合致する方がいらっしゃれば*2,ぜひ参加をご検討いただけますと幸いです。