What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

「租税利益の原則(Tax Benefit Rule)」が公開されました。

 拙稿「租税利益の原則(Tax Benefit Rule)―米国における生成および展開ならびに日本法に与える示唆―」が,今月発行された青山社会科学紀要47巻1号に掲載されました。
 リポジトリで公開され次第,追記しておきます(→公開されました)。

 同稿は,米国において判例理論上および制定法上展開してきたTax Benefit Ruleについて,その展開する過程を整理したうえで,日本法の現行の解釈論において同原則が見出しうるのか,また見出すことが必要かという点を議論したものです。
 「おわりに」でも書いたのですが,当初は債務免除益の課税理論との関連性についても論じるつもりでした。ただ,分量や時間の都合から,そこまでは論じきれませんでした。しかし,その分,租税利益の原則それ自体についての一般的な検討に焦点を当てることができたかな,と思っています。

 この論文の内容については,先日の関西租税法若手研究会で報告の機会を賜りました。
taxfujima.hatenablog.com

 報告時既に入稿済であり,いただいたご指摘の内容はあまり活かせませんでした。申し訳ございません。ただ,今後とも研究していくテーマの予定ですので,その際にはぜひいただいたご指摘を活かしたいと存じます。

 ぜひご笑覧いただけますと幸いです。様々な課税問題を横断的に見る考え方ですので,色々な課税局面についてヒントとなる可能性があろうかと存じます。

(2018/10/11追記)
 当該論稿ですが,弊学リポジトリで公開されました。下記リンクより,ぜひご笑覧くださいませ。
www.agulin.aoyama.ac.jp

(2019/11/30追記)
 当該論稿につき,学会回顧にて取り上げていただきました(藤谷武史「租税法」法律時報91巻13号(2019年)35頁参照)。ありがとうございます!