What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。

アコード租税総合研究所判例研究会

一昨日(4/24),アコード租税総合研究所判例研究会に参加しました。以前,弊学の木山泰嗣先生が報告された際に参加して以来の参加でした。木山先生が報告された際のブログ記事は,下記を参照。

taxfujima.hatenablog.com

今回の研究会では,弁護士の石井亮先生(和田倉門法律事務所)が,最判平成30年9月25日について報告されました。
私が以前最高裁判所に傍聴に行った判例です。傍聴の際のブログ記事は,下記を参照。

taxfujima.hatenablog.com

当該判決は,税負担の錯誤によって私法上の法律行為が無効になった際に,それによって課税関係が変動を受けるのか,という点が問題になったものです。
石井先生は,このような問題について,源泉所得税の場面において(下級審も含めて)判示された初めての判例として当該判決を整理したうえで,当該判決の意義やこの判決を実務上どのように活かすのかという点について議論されていました。
なかなか捉え方が難しい,書こうと思えばいくらでも長く書けそうな問題なのですが,判決文はかなり短いです。言っていることそれ自体は簡潔なのですが,裏に色々なこと*1が隠されていそうな判決だ,ということが,研究会の議論を通して明らかになったように思います。実際,言っていることはわかるのですが,その根拠も含めて理解しきるのは何だか難しい判決,と言えるかと思います。

傍聴の際の記事にも書きましたが,個人的にも思い入れのある判決なので,今後とも考えていきたい判決です。その手がかりを多く得られる,とても有益な機会でした。石井先生,ありがとうございました。
なお,当該判例研究会において,私も6月に報告を予定しています。まだあまり準備できていないのですが,頑張らないといけないな,と思いました。

*1:研究会の議論においては,例えば,最初の上告審判決(最判平成27年10月8日)の差戻理由で示唆されている通達の適用の可否などが挙げられました。