先日公刊された税法学582号に,拙稿「借入金に係る債務免除益の所得分類の判断構造」が掲載されました(175頁)。
今年2月の関東地区研究会での報告を載せていただいたものです。報告時の記事については,下記参照。
内容としては,東京地判平成30年4月19日裁判所ウェブサイトの判例研究になります。当該判決については,既に月刊税務事例51巻8号に判例研究を載せていただいていますが(下記記事参照),月刊税務事例で取り上げた部分とは別の判示について論じています。
まず,私のような未熟者の原稿を,伝統ある税法学に載せていただき,ありがとうございます。大変光栄に存じます。
今回論じた判示は,債務免除益課税について,おそらく日本の裁判例のなかで現状一番踏み込んで論じたものだと思います。この分野を研究してきた者として,(個人的にはそのような考え方は批判してきた対象ではあるのですが)ようやくここまで来たのだな,と感じます。
ただ,少し踏み込みすぎて,理論の使い方(あてはめ)は間違っている(無理な検討をしてしまっている)と評価しています。間違った使われ方が残るのではなくて,判示が残っていってくれると嬉しいな,と考えています。
博士後期課程でしてきた研究を具体的な判決に即して展開したような判例研究になります。ぜひご笑覧いただけますと幸いです。
また,第109回大会で片山先生にした質問も,議事録に載せていただいています(228~229頁)。片山先生,不躾な質問にご対応くださり,誠にありがとうございました。
(2023/6/10追記)
こちらの判例研究ですが,日本税法学会のウェブサイトにpdfファイルを公開していただいています。
ご笑覧を賜れますと幸いです。