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税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

『小説で読む租税法』をご恵贈いただきました。

 青山学院大学の木山泰嗣先生より,執筆された『小説で読む租税法』をご恵贈いただきました。

http://www.hougakushoin.co.jp/book/b552447.htmlwww.hougakushoin.co.jp

 この書籍は,木山先生が法学書院から出されている『小説で読む~』シリーズの5作目として,ご専門である租税法を題材に書かれた小説兼教科書です。待望のもの,と言って良いのではないかと思います。木山先生が青学のロースクールなどでされていた租税法の講義が素材となっていると書かれていますが(369頁),私も先生のロースクールでの講義を聴講していた頃のこと(2016年か2017年だったと記憶しています)を懐かしく思い出しながら読みました。
 内容としては,『小説で読む~』シリーズの主人公である佐伯祐一の視点を通して,ロースクールでの租税法の授業が語られます。主人公のロースクール生活と授業の内容が上手くリンクしたりもして,難解な租税法を面白く学べる書籍です。また,内容としては,かなり突っ込んだところまで議論もされています。私が研究してきた債務免除益課税についても,現在進行形の議論をフォローした詳しい記述がみられるところです(127~129頁,155~158頁,247~250頁参照)。
 対象読者としては,司法試験で租税法を選択している受験生やロースクールで租税法を履修中の学生が想定されているところだろうと思います。ただ,大学院で税法を研究している修士課程の大学院生の方が今一度知識をストーリーに沿って整理したり,学部の税法ゼミの学生さんが少し詳しい知識を物語を通じて学んだりすることにも有用な書籍ではないかと思いました。
 まだ流し読みした段階ですので,年末年始でじっくりと読みたいと思います。木山先生,ありがとうございました!

 今年のブログへの投稿はこれで終わりになります。今年は,就職したほか,『債務免除益の課税理論』を出版するなど,色々と機会をいただいた年でした。また来年もマイペースに,研究を頑張り,ブログにも投稿をしていきたいと思いますので,何とぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。