What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。執筆したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回以上/月の更新を目標としています。

私のことや,このブログ全体のこと

(最終更新:2026年1月23日)

 What Do We Pay for Civilized Society?をご覧いただき,ありがとうございます。このブログを書いている私のことや,このブログ全体のことを書いておきたいと思います。

私のこと

・名前:藤間 大順(ふじま ひろのぶ)
・専門分野:税法学
・肩書:神奈川大学法学部助教(2020年4月~2022年3月)→准教授(2022年4月〜)

 このほか,経歴やこれまでの研究業績については,下記のresearchmapを参照してください。

https://researchmap.jp/taxfujima/researchmap.jp

 右のバーにも埋め込んでありますが,X(旧Twitter)のアカウントもあります。


このブログの目的やカテゴリのこと

 このブログは,私が研究活動や教育活動を行うにあたって記録を残すために書いているものです。
 各記事には,カテゴリをつけてあります。主なカテゴリについて,大まかにどのような記事を分類しているのか書いておきます。

書いた文章
 論文など,私が書いた文章について書いています。書いた書籍については,「書いた文章」と「書籍について」のどちらのカテゴリにも入っています。
研究報告など話した機会
 学会や研究会などで話したことや,ゲストスピーカーの機会をいただいたことなどを書いています。以前は研究報告は入れていませんでしたが,境目が不明確なので,話した機会は全て1つのカテゴリにまとめました。
ニュースやコラム的な記事
 最近の話題について,税法学的な視点から書いています。論文にはできないけれど気になったことを書いたり,これまでの研究を最近の話題に応用したりした記事が多いです。また,以前は判例研究カテゴリもあったのですが,こちらのカテゴリにまとめました。
債務免除益課税
 博士後期課程の頃から取り組んでいるテーマである債務免除益課税についての記事です。拙著『債務免除益の課税理論』の考え方をベースに,色々な点について博士後期課程修了後も論じています。

学会大会・総会
 参加した学会の大会や総会について書いています。所属している学会(租税法学会,日本税法学会,日本租税理論学会)の大会や総会について書くことが多いです。
アメリカ税法研究会
 博士後期課程進学時に発足して運営に携わっているアメリカ税法研究会について書いています。なお,2026年から活動を休止しています。
東アジア租税法研究会(旧関西租税法若手研究会)
 博士後期課程進学後に参加した東アジア租税法研究会(主催:小塚真啓先生)について書いています。
若手法学研究者フォーラム
 博士後期課程進学後に参加し,現在では運営をお手伝いしている若手法学研究者フォーラム(主催:横田明美先生)について書いています。

書籍について
 いただいた書籍や私が携わった書籍のことを主に書いています。たまに,自分で買って読んだ本のことも書いています。
教育活動
 大学などで行った教育活動について書いています。
ディベート
 税法学に関するディベート活動について書いています。大学院生の頃は自分が参加したディベート大会について書くこともありましたが,最近は審査員として参加した大会について書くことが多いです。

その他(コンタクトの仕方や大学院のことなど)

 連絡先は公開していませんが,大学経由でお仕事をいただいたことがあるので,フォーマルな話であれば,大学にご連絡いただければ繋いでいただけると思います。

www.kanagawa-u.ac.jp

 なお,J-GLOBALにコンタクトをとる機能がありますが,基本的に見ていないので,気づくのが遅くてもご容赦ください。名刺交換などをしたことがない方は,可能なかぎり,大学経由でコンタクトしていただけると嬉しいです。
 大学院への入学をご希望の方は,下記のURLを参照してください。下記URLに記載のとおり,神奈川大学では,出願前に,指導を希望する教員に研究内容などを相談していただくことをお勧めしています。大学院への入学を希望される方が相談する際は,下記の入試センターの出願ページの問い合わせフォームをご活用ください。

www.kanagawa-u.ac.jp

 なお,神奈川大学大学院法学研究科では,下記のとおり,税務専門家向けの履修モデルも策定しています。税理士や税理士志望者の方と一緒にぜひ研究をしてみたいと思っていますので,ご検討いただけますと幸いです。

www.law.kanagawa-u.ac.jp

www.law.kanagawa-u.ac.jp

『分かりやすい「所得税法」の授業』の新版をご恵贈いただきました。

 青山学院大学の木山泰嗣先生より,近日公刊される『[新版]分かりやすい「所得税法」の授業』をご恵贈いただきました。

books.kobunsha.com

 この新書は,所得税法の入門のための新書です。2014年に初版が出てから12年ぶりの改訂になります。
 木山先生は,昨年,光文社新書から『ゼロからわかる日本の所得税制』を出されています。今回の新書は概説的に(いわば「横串」として)所得税制を解説するもの,昨年のものは論点ごとに(いわば「縦串」として)所得税制を論じるもの,と言って良いかと思います。

taxfujima.hatenablog.com

 また,今年,『教養としての「所得税法」入門』も出されています。

taxfujima.hatenablog.com

 この夏も所得税について研究をしていたので,またいただいた書籍を読んで勉強したいと思います。いつもながら書籍をくださり,誠にありがとうございました。

『学術コミュニケーションが沸き立つ論文を書こう』出版記念鼎談「本音で語る法学」に参加しました。

 タイトルのとおりの鼎談に、会場(ジュンク堂書店池袋本店)で参加してきました。下記のリンクからしばらく配信は観られるようですので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

8/7 『学術コミュニケーションが沸き立つ論文を書こう』出版記念鼎談 興津征雄×樋口亮介×田中亘「本音で語る法学」onlineservice.maruzenjunkudo.co.jp

 今回の鼎談は、下記の書籍の出版を記念して行われたものです。下記の書籍の編者である興津征雄先生(行政法、神戸大学)と、著者である樋口亮介先生(刑法、東京大学)が登壇されました。

www.koubundou.co.jp

 また、下記の書籍の編者である田中亘先生(商法、東京大学)も登壇されました。

www.yuhikaku.co.jp

 いずれの書籍も大変に興味深いものですが*1、今回の鼎談も大変に勉強になりました。開催してくださり、ありがとうございました。

 鼎談の詳しい内容は、ぜひ上記リンクから配信をご覧ください。ただ、ラフな感想を書いておきたいと思います。
 今回の鼎談では、コミュニケーションをする、つまり言語を用いて議論をするというまさに書籍のタイトルにもなっている営みと、そのなかで態度を示すということが論じられていたように感じました。重なるところもありつつ、樋口先生と田中先生の間であえて違う視点から考えが展開されていました。
 議論全てを正確に理解できたかは自信がないのですが、私としても色々と考えさせられましたし、税法という公法なのだけれどもビジネスにも深く関わる分野において特に響く話なのではないかな、と感じるお話でした。研究をしていると、ときに、「こんなズルい租税回避は許しちゃダメだろう」とか「こんな酷な課税は許されない」とか、制度や条文を離れたナマの価値判断を示したくなってしまうことがあります*2。ただ、「ズルい」とか「酷」とかだけでは、コミュニケーションは成り立ちません。なぜそういった問題が生じたのか、まずは虚心坦懐に事実や制度にもとづいて議論を整理することが重要であろうと思います。そして、整理だけをするべき研究もあると思います。
 他方、何も態度を示さずにどんな議論もできるかというと、それもまた難しいようにも感じます。法も判決も人が作ったものですし、その背後には何らかの価値観があります。それについて論じる以上、ある程度の態度を示すことは避けられないのかもしれないとも思います。
 たとえば、税法だと、所得再分配を重視するのか中立的または効率的な財源調達を重視するのかという立場の選択がありえます。そして、少なくとも所得税制度について論じる際には所得再分配という価値観を重視すべきだという立場はありうると思います。では、所得再分配を重視するからと言って、立法政策では最高税率を100%にすべきだとか、解釈論としては高所得者ならばどんなに不当な課税でも受忍すべきだとか低所得者ならばどんなに脱税をしても見逃すべきだとか、そういう議論はあまり現実的なものとは思えません。そこにはやはり一定の幅があるし、そこを乗り越えてしまったら、コミュニケーションは成り立たなくなってしまうと思います。価値観だけからは答えは出ないし、そこを無理に出そうとするととんでもない話になってしまうこともあるのではないか、ということです。
 ここではわかりやすい例で区別をしましたが、実際には、この腑分けは非常に難しい場面が少なくないように思います。私も、「ここでは自分の立場は出すべきじゃないけど出てしまっていないかな」とか、「ここは自分の立場の中核だけれど、他の人の顔色を窺ってひよってないかな」とか、日々悩みながら研究をしているつもりです。また、この受け止め方は、人によって違いうるとも思います。ある人にとっては「論理的に詰められたすごく面白い論文」でも、別の人にとっては「コミュニケーションを拒絶している独善的な論文」になりうるのだろうと思います。

 以上のように、まさに私のなかで研究への意欲が「沸き立つ」ような「コミュニケーション」が展開される鼎談であったように感じました。参加して良かった、と感じています。鼎談や書籍からいただいた意欲を活かして、この夏も研究に励みたいと思います。

*1:個人的には、法学研究の楽しさと意義というような点が描かれていたのがとても印象的でした。私は、税法の研究をとても楽しくできていますが、意義のある研究をできている自信はありません。こんな程度の低い悩みを持っている人間は私くらいなのかなとも思っていたのですが、(まさに今回の鼎談の最初に田中先生がおっしゃったとおり)人間としての素直な言葉が書かれていて、今回の書籍からはたくさんの勇気をいただきました。

*2:特に、過度に難しい事実関係や制度が問われている問題だと、こういう方向に傾きたくなる誘因が働きます。「難しいことはわかんないけどまぁこうじゃないすかね」と言いたくなる、ということです。

日税研の判例集に執筆の機会をいただきました。

 先日公刊された『日税研創立40周年記念出版 最新租税基本判例80』に,拙稿「第二次納税義務の対象となる無償譲渡等と財産分与」が掲載されました。

www.jtri.or.jp

 以前,日税研メールマガジンに掲載された判例研究が正式なものとして登載されたものです。内容については,そこまで手を加えていませんので,下記の記事をご覧ください。

taxfujima.hatenablog.com

 日税研の判例集は,税研106号,148号,178号,208号に続いて,今回で5巻目になります。今回の判例集は税研本体からは独立した出版物として刊行されました。

www.jtri.or.jp

www.jtri.or.jp

www.jtri.or.jp

www.jtri.or.jp

 上記の判例集はいずれも折に触れて参照してきたものなので,執筆の機会をいただき大変に光栄に感じています。ありがとうございました。
 また,特に,4月に山田俊一先生の勉強会で報告の機会をいただきましたが,この判例シリーズの最初のものである税研106号は,山田先生が(横浜国立大学で指導を受けられた)金子宏先生とともに始めたもののようです。4月の報告と今回の判例集への執筆が繋がる感覚があり,それも感慨深く感じました。

taxfujima.hatenablog.com

 既にメールマガジンとして配信されたものではあるのですが,ぜひご高覧を賜れますと幸いです。また,他の記事も,研究者と実務家がいずれも執筆しているとても面白いものになっているように感じています*1。私としても,他の記事を拝読して勉強したいと思います。重ね重ね,執筆の機会をいただき,ありがとうございました。

*1:なお,編集委員および執筆者として,神奈川大学大学院法学研究科非常勤講師でもある弁護士の吉田正毅先生が参加されています。吉田先生とご一緒する機会もいただけて,それもとても嬉しく感じました。

漆さき先生講演会

 昨日,神奈川大学大学院法学研究科主催(同大学法学研究所共催)で,漆さき先生(慶應義塾大学)をお招きして,「日本におけるe-invoiceの導入」と題する講演会を行いました。

 神奈川大学大学院法学研究科では,年度ごとに1回,税法関係の講演会を開催しています。これまでの開催実績については,下記の記事を参照。

taxfujima.hatenablog.com

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taxfujima.hatenablog.com

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 今回の講演会も昨年に引続き対面で実施しましたが,大学院生や学部生にくわえ,学外からも税理士の先生方をはじめとする方々にご参加いただいて*1,充実した講演会になりました。大変に暑いなか,しかも坂の上にある大学までいらしていただきご負担をおかけしたかもしれませんが,ご参加くださった皆さまはありがとうございました。

 講演会の内容は,e-invoiceの普及について,EUの動向をふまえつつ,日本においてこれからありうる方向について論じるものでした。漆先生は,今年5月に東京で開催されたIFA(国際租税協会)アジア太平洋地域大会のe-invoiceに関するパネルのパネリストを務められたので,そこで行われた最新の議論を踏まえつつ,日本がこれから目指すべきまたは目指しうる方向性を議論されていました。ただ単に「ヨコをタテにする」のではなく,きっちりと日本の状況をふまえて丁寧に示唆を論じられていました。比較法の「お手本」のようなご講演だったように感じました。
 漆先生の講演が素晴らしかったことにより,先端的な質問が難しいだろう論点にもかかわらず,質疑応答も大変に盛り上がりました。特に,研究科主催の講演会だということもあり,院生から多くの質問が出たことを嬉しく感じました。学外の方からも,鋭い質問がたくさん飛んでいました。

 単著の「はじめに」にも書いたのですが*2,漆先生は院生の頃からお世話になっている方を挙げろと言ったら間違いなく挙げるべき方のうちの1人です。育ってきた環境や関心の方向性がとても近いとは必ずしも言えないとは思うのですが*3,率直に思っていることや悩んでいることを話せる,信頼できる「先輩」であると思っています。漆先生をはじめとする同分野の先生方が立場を越えて可愛がってくださったからこそ,私はここまで何とかやってこられたのだと感じています。
 そんな尊敬できる方をお招きして,かつ充実した講演会を開くことができて,大変に光栄でした。漆先生,ご講演を賜り,誠にありがとうございました。また色々な機会でご一緒することもあろうかと思いますが,ご指導を賜れますと幸いです。

*1:これまでの講演会と同じく,東京地方税理士会の研修(2時間分)の認定もいただきました。いつもながらありがとうございます。

*2:拙著『債務免除益の課税理論』(勁草書房,2020年)ⅴ頁参照。

*3:こちらの判例研究で「ギャンブルと課税」というところでは最近議論が重なったのですが,お互いそんなに中心的な研究テーマとしているわけではないだろうと思います。