What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

「貸与型奨学金と債務免除益課税」が公開されました。

 拙稿「貸与型奨学金と債務免除益課税」が,今月公刊された青山ローフォーラム6巻2号に掲載されました。
 まだリポジトリで公開はされていないようですが,載り次第リンクを書いておきます(→載りました(下記リンク参照))。

 当該論稿では,貸与型奨学金の返済免除に伴い生じうる債務免除益課税の問題について,現行の取扱いと法律の齟齬を指摘した上で,米国の制度やそれに対する批判を参照しながら立法的提案を行っています。
 現行の非課税取扱いは現行法の下では正当化できないのではないか,と論じてはいるのですが,論旨の主眼はここには無く,むしろ立法的提案が主眼です。

 この論稿の内容ですが,謝辞に書いたとおり,様々な箇所で報告の機会をいただきました(日本税法学会関東地区研究会での報告については,このブログにも書いています)。報告の度に大きな示唆をいただきました。ありがとうございました。
 結局,1年以上付き合い続けるテーマとなりましたが,とても勉強になりました。今後とも考えていきたいテーマだと感じています。

 今年度の業績はこれで以上となります。
 来年度は,今年度以上に精進を積んで頑張っていきたいと思います。

(2018/4/1追記)
 国税庁のウェブサイトリニューアルに伴い,当該論稿で取り上げた文書回答事例のURLが変更されていましたので,新たなURLを貼っておきます(エイプリルフールではありません)。こちらです。
県から奨学金の貸与を受けた医学生が医師免許取得後県内の医療機関に一定期間従事することによりその返還及び利息の支払に係る債務を免除された場合の課税関係について|名古屋国税局

 また,以下のような新たな文書回答事例もありました。ご参考になれば幸いです。
貸与制から給付制への移行に伴い奨学金返済債務が免除された場合等の税務上の取扱いについて|東京国税局

(2018/4/5追記)
 当該論稿が,弊学のリポジトリにて公開されました。下記リンクより,ぜひご笑覧ください。
https://www.agulin.aoyama.ac.jp/opac/repository/1000/20239/