同僚(神奈川大学法学部)の足立治朗先生より,近時公刊された『現象学的国法学』をご恵贈いただきました。
この書籍は,足立先生が書き溜めてきた法理学的関心にもとづく体系的な議論をまとめたものです。ケルゼンの純粋法学を議論の出発点としつつ,カウフマンとシュライアーという2人の論者の議論を参照しながら議論を展開しています。なお,こちらの書籍は,神奈川大学法学研究所叢書36として公刊されています。
足立先生は,最も年齢の近い同僚であり,学務などで折に触れてお世話になっています。学務や教育は穏やかにこなされつつ,研究者としては大変刺激的な議論をされる方であり,私ごときにはおこがましい話ですが姿勢は見習わなければならないな,と常に感じながら接しています。
また,私自身,学部の頃は榊原哲也先生のフッサールの『イデーンⅠ』を輪読するゼミに所属していて,卒論も『デカルト的省察』について書くなど現象学について少しだけ勉強していたので*1,本の内容にも興味を持てそうに感じています。今のところ,私は学部の頃の勉強と今の法学の研究を繋げられてはいないのですが,そういった個人的な関心という意味でも,いただいた本をぜひ読んで勉強したいと感じています。ありがとうございました。
*1:拙著『債務免除益の課税理論』(勁草書房,2020年)ⅴ頁参照。