What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。

10,000アクセス突破しました!&大学院ディベート大会

先日,当ブログが10,000アクセスを突破しました。大体40記事ほどあるので,単純計算で250アクセス/記事ほどとなります。
一介の大学院生が書いている無味乾燥なブログをご覧いただき,いつもありがとうございます。今後とも研究を頑張って,その記録を残していくことで,魅力的なブログにできたら良いなぁと思っております。

さて。先日(6/9(土)),大学院のディベート大会がありました。昨年のディベート大会については,以下の記事を参照。

taxfujima.hatenablog.com

今年は,(木山ゼミのTAに復帰したこともあり)審査員ではなく,久しぶりにプレイヤーとしてディベート大会に参加しました。研究をしていて他の試合はあまり観られなかったので(申し訳ありません),自分の試合についてだけ書きます。
今年のディベート大会では,弊学法学研究科のOBでチームを作り,現役の方(M2)と対戦しました。テーマは,東京高判平成27年11月26日税資265号順号12760を題材に採り,当該事件において不妊症の治療のために購入したサプリメントの購入費用が医療費控除(所税73条)の対象になるかを争いました。結果としては,勝利を収めることができました。審査してくださった審査員の先生方,対戦してくださったM2の皆さま,一緒にディベートをしてくださったOBの皆さま,ありがとうございました。
当該事案ですが,非常に興味深く,また考えさせられる事案でした。普通に考えれば,サプリメントを買っただけで医療費控除は受けられないのではないか,と思います。ただ,医療費控除制度の立法趣旨や,その後の改正,通達による実質的な拡張解釈*1等を勉強していくうちに,当該事案における医療費控除の可否は必ずしも簡単に割り切れる問題ではないと感じました。もちろん,ディベート大会で争われたのは解釈論ではあるのですが,立法論も含めて,これからの高齢化社会において一つの重大な問題となっていく分野だと思います。
少し細かな話としては,所得税法にいう「医薬品」(所税73条2項,所税令207条2号)が果たして旧薬事法昭和35年法律第145号,現薬機法)からの借用概念と言えるのか,という点が,当該事案を考える上で一つの大きな論点となります。控訴審判決は,この点非常に曖昧な判示をしています。私が原告側で立論を書いたのですが,そこでは,所得税法上の「医薬品」は旧薬事法とは別個の意義で解すべきである,という議論を展開しました*2ディベートですし,役割に沿ってそう書いたのですが,自分でフラットに考えたらどうなるのかなぁ,ということを,終わった今考えてみたりしています。

自分のことばかり書いてしまったのですが,こんなところで。
ディベート大会で研究をする勇気と元気をたくさんいただいたので,自分の研究に邁進して参りたいと思います。雨にも負けず,頑張ります。

*1:所基通73-3参照。

*2:こちらの記事の2.の末尾で少し書いた,「規制法からの借用概念」という話です。本件はこの論点について非常に有益な材料を提供しているものと評価する先行研究として,佐藤英明「判批」TKC税研情報26巻4号(2017年)8頁参照