本日,母校である青山学院大学大学院法学研究科で行われたディベート大会に審査員として参加しました。
昨年審査員をした際の記事として,下記参照。
私は,法学研究科の修士1年の大学院生のチームと青山学院大学法学部の木山泰嗣先生のゼミのチームの間で行われた第3試合の審査員をしました。
ディベートの素材は,複数の国にまたがって生活および仕事をする納税者の住所が日本にあるかどうかが争われた裁判例でした*1。この裁判例については,共著で書いている教科書の私が書いている部分でも所得税法上の住所に関する議論のところで取り上げています*2。
この判決は,原審も引用していますが,贈与税の課税における住所判定について争われた有名な武富士事件上告審判決*3との関係で興味深いものです。住所は民法22条と同じく「生活の本拠」を意味する,というところまでは武富士事件上告審判決と異ならないのですが,検討している事項を見ると色々な特徴が見いだせます。
今回のディベートでは,一般論についても具体的な事項についても充実した議論がされていました。感想としては,もう少し判決文で述べられていない点を自分の頭で考えて質問を組み立てて欲しかったと述べましたが*4,聞いていてとても楽しかったです。
自分のゼミでも下記記事のとおり先日ディベートをしましたが,やはりディベートは楽しいな,と感じました。自分が審査員をしなかった試合も,どれもとても楽しかったです。
*1:東京地判令和元年5月30日税資269号順号13280,東京高判令和元年11月27日税資269号順号13345。
*2:三木義一編著『よくわかる税法入門[第17版]』(有斐閣,2023年)78~79頁[藤間大順執筆部分]参照。
*4:ただ,去年と同じく,これは何度も審査員をしていたから持った感想であって,初めてディベートをする学部3年生やM1の皆さんには酷な感想だったかもしれません。