先週土曜日(6/26),母校である青山学院大学大学院法学研究科税法専攻*1のディベート大会がありました。私は審査員として関わりましたので,関わった部分について,記録を残しておきたいと思います。
この大会は毎年行われているのですが,昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で行われず,今回は2年ぶりの,かつ対面での開催となりました。木山泰嗣先生,荒井英夫先生および道下知子先生*2をはじめ,開催にあたりご尽力いただいた青学の皆さま,誠にありがとうございました。一昨年度の記事として,下記参照。
私は,第1試合および第4試合の試合の審査員を務めました。
まず,第1試合では,ホステス源泉徴収事件を素材として*3,修士1年の大学院生と荒井先生のゼミがディベートをしました。この事件は,ホステス等に支払う報酬に対する源泉徴収につき(所得税法204条1項6号),徴収税額を算定する際に用いる「計算期間の日数」(所得税法施行令322条)の意義が争われた有名な事件です。当該制度の趣旨目的について充実した議論をしていました。
次に,第4試合では,いわゆる感謝の集い事件を素材として*4,修士1年の大学院生と修士2年の大学院生がディベートをしました。この事件は,感謝の集いという催しのための法人の支出に対して,交際費等の損金不算入制度(租税特別措置法61条の4)が適用されるか,という点が争われた事件です。交際費等の損金不算入制度の趣旨目的や規定の解釈論にくわえ,細かい事実関係についてまで,充実した議論をしていました。修士2年の大学院生の攻め方が見事で,聞いていてとてもワクワクしました。この事案は,昨年度の後期に非常勤講師として担当している青学法学部のゼミで研究していたこともあって,事案の魅力を十二分に引き出しているディベートに感心させられました。
何度かこのブログに書いていますが,税法に関するディベートは私が研究者を志すきっかけになった愛着のある営みです。いつか自分が持っているゼミでもやってみたいと考えています。審査員をしながら,改めて,ディベートは楽しいと感じました。繰返しになりますが,開催にあたりご尽力いただいた皆さま,ありがとうございました。