はじめに
昨日,母校であり非常勤先の青山学院大学(青学)で色々なことがあったので,書き記しておきたいと思います。
ゼミ
後期の青学では,非常勤講師としてゼミを担当しています。非常勤なので1代限りでかつ少人数(3人)なのですが,とても優秀なメンバーが集まっていて(たぶん贔屓目抜きにもこう言えると思っています),楽しくゼミをできています。
ただ,昨日は事情があって2人が欠席で,参加人数が1人になってしまいました。1対1も楽しいとは思うのですが若干寂しいので,前期に非常勤で担当していた講義を履修してくれた2人と大学院生時代にTeaching Assistantとして接していた1人の合計3人の大学院生にお願いして,ゲストとしてゼミに来てもらいました。
ゼミでは,ゼミ生が選んだテーマについて自由に発表しながら,少しずつ卒論に向けた準備を進めています。今回は「ふるさと納税」がテーマでしたが,ゼミ生がしっかりと準備してきてくれたこともあり,また大学院生の皆さんのしっかりとしたコメントもあり,とても充実したゼミになりました。院生どうしの議論も行われて,ゼミ生は大きな刺激を受けただろうと思います。私も寄附と税制のあたりについては最近関心を持っているので*1,色々と考えさせられる論点がありました。
院生の皆さん,ゲストとしていらしていただきありがとうございました。全員博士前期課程2年なので今後は修論でお忙しくなると思いますが,修論の息抜きがてらでも,またぜひ遊びに来てくれると嬉しく思います。
ディベート
ゼミが終わった後,立正大学の長島弘先生のゼミと青学の木山泰嗣先生のゼミのディベートの審査員をしました。以前,両ゼミのディベートを審査した際の記事として下記参照。
今回は,金地金のスワップ取引によって譲渡所得が発生するか,という点が争われた事案*2を素材としてディベートが行われました。当該事案については,下記のとおり別の機会で審査員をしたことがあります。
譲渡所得の本質論から当該契約の性質の議論まで,幅広い論点について充実した議論が行われていました。木山先生のゼミがディベートに長けていることはわかっていたのですが,長島先生のゼミの学生が皆さん事案の本質について深く理解したうえで議論を提起されていて,感銘を受けました。もう少し議論が深まるのではないかな,と少し残念に思う点は無いこともなかったのですが,全体としてとても勉強になる機会だったように思います。
いつか私の神奈川大学のゼミでも,学外のゼミとのディベートをしてみたいな,と思いました。
おわりに
昨日こんなことがあったよ,というだけの記事なのですが,学部の授業から色々と知的な刺激をもらった話でした。
大学教員という仕事は,ただ一方的に教えるだけではなくて,学生と一緒に考えることで自分の考えを深めることができる点が魅力的だと感じます。だからこそ,研究者が教育をすることで,研究をして最新の知見に触れながら教育をして,教育をしながら考えたことについて研究の場に活かしていく,という循環がありうるのだろうと思います。そのあたりの循環ができている自信はないのですが,今後とも精進していきたいと思います。