What Do We Pay for Civilized Society?

税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

第7回若手法学研究者フォーラムの集い

 昨日,第7回若手法学研究者フォーラムの集いが開催されました。今回,引継ぎを兼ね,早稲田大学の吉田朗さんとともに,主催のぱうぜ先生を事務的にお助けすることになりました。研究会をどう開催するか,経験を積むことができました。ありがとうございました。
 昨年の記事については下記を参照。

taxfujima.hatenablog.com


 今回の「集い」では,研究報告が3本行われました。その後,研究ハックフォーラムの集いも行われました。
 まず,研究報告の1本目として,日本学術振興会特別研究員(PD)の宍戸聖さんが,ご自身の博士論文を概観する報告をされました。宍戸さんは,経済法,特に独占禁止法の研究をされている方です。今回は,日・米・欧の3点を比較するダイナミックな研究を,コンパクトに,かつ様々な視点の特徴を明らかにしながら報告されていました。
 宍戸さんは,私の修士課程(博士前期課程)の同期であり*1,(向こうがどう思っているかはわかりませんが)私にとってはとても大切な,同志ともいうべき友人です。そんな友人が素晴らしい報告をしていて,とても刺激を受けました。
 その後,私が,クラウドファンディング(Crowdfunding,CF)と課税についての報告をしました。今年,同テーマで学会報告を行う予定であり,その前提として,日本法の状況と問題関心を明らかにするような報告をしました。スライドを↓に置いておきます。ご笑覧いただけますと幸いです。
https://drive.google.com/open?id=1eHR3iLKEcQW71TbFnF5Dmu4AI5WK_XDLdrive.google.com

 研究報告の最後として,一橋大学大学院法学研究科博士課程後期課程の乾直行さんが,ご自身の修士論文を概観する報告をされました。
 乾さんは,修士課程を出た後,予備試験および司法試験に合格し,修習を経てから博士課程に入学された,かなり異色の経歴を持つ方です。刑事訴訟法をご専門にされていて,特に,本人以外から捜査機関が捜査の情報を取得する場合の法的規律について関心を持たれています。私はなかなか刑事訴訟法の議論に触れることは無くて,何となくハードルが高いイメージがあるのですが,とても身近かつ自分にも起こりそうな話をしていて,とても勉強になりました。議論もとても盛り上がっていました。

 その後の研究ハックフォーラムでは,色々な議論が交わされました。
 特に,「法学研究って結局なんなの」という根本的な問いをめぐる議論は非常に刺激的であり,自分のやっていることを改めて顧みることができました。
 色々とオフレコな話もあったかと記憶しているので,ここまでにとどめておきたいと思います。気になる方はぜひフォーラムへの参加をご検討くださいませ!

 若手法学研究者フォーラムは,税法以外の集まりで私が唯一参加している集まりです。今回も,経済法などの私法や刑事法の議論に触れることができ,また研究の方法についても議論をすることができ,視野を広げてもらえる大切な集まりだな,と感じています。今回は事務的なことと報告で携わりましたが,今後とも,何かできることがあればやっていきたいと思っています。

*1:宍戸さんは,博士課程は京都大学大学院法学研究科に進学されました。