立教大学の浅妻章如先生より,近時公刊された『なぜ多国籍企業への課税はままならないのか』をご恵贈いただきました。
この書籍は,大学における共通教養科目など,必ずしも法学や税法学を学んだことのない人が国際課税を学ぶ際に使うために書かれたものです。国際課税は,OECDにおいて近時盛んに議論されており*1,重要性が高まってきている分野です。この本は,そういった重要な,ただなかなかに理解するのが難しい分野について,前提知識を必ずしも多く要求せずにそれでいて高いレベルの議論や意欲的な議論へと導くように書かれている本であるように思います。
まだ第3章までしか読めていないのですが,前著である『ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか』と重なる記述がありつつ*2,その後の国際課税の議論に繋がるようにしっかりと基礎的な概念について解説されているように思いました。最近の個人的な関心と関連して,とても興味深く勉強しています。
なかなか自分の研究では国際課税には取り組めていないのですが,この本を読むことで勉強していきたいと思います。重ね重ね,ご恵贈賜り,ありがとうございました。