九州大学の田中晶国先生より，先日出版された『課税要件法の理論と課題』をご恵贈いただきました。
この書籍は，課税要件法に関して田中先生がこれまで議論してきた論稿を中心にまとめられたものです。田中先生は既に『所得の帰属法理の分析と展開』を単著として2019年に出されていて，本格的な研究書を2冊このスパンで書かれているのは驚異的なペースだと思います。
今回の書籍では，様々な場面が検討対象となっていますが，課税要件法において私法秩序がどのように関わるのか，判例理論などの丹念な検討を経て田中先生のお考えが示されています。当然，初出時に既に勉強した議論も多いのですが，書下ろしの部分も大変勉強になりました。特に，「享受」型収入金額に関する議論は（208～214頁），今後私も勉強していかなくてはならない議論だと感じています。
改めて読む部分も，初めて読む部分も，拝読して勉強したいと思います。お贈りくださり，誠にありがとうございました。
