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税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

『国税通則法コンメンタール 税務調査手続編』をご恵贈いただきました。

 弁護士・青山学院大学名誉教授であり,博士後期課程時代の指導教員である三木義一先生より,日本弁護士会連合会=日弁連税制委員会編『国税通則法コンメンタール 税務調査手続編』をご恵贈いただきました。

www.horei.co.jp

 この書籍は,日弁連税制委員会に所属する税務に精通した弁護士の先生方が国税通則法の税務調査に関する規定について解説した逐条解説(コンメンタール)です。日弁連税制委員会は,税務調査手続の整備を中心として国税通則法を改正し,納税者の権利保障や適正手続保障のあり方を大きく変えた平成23年12月改正(平成23年法律第114号)に深く関与されたことから,改正の経緯や立法趣旨を今回コンメンタールとして公表されました。
 改正前後をふくめ,判例や裁判例が丁寧に整理されているほか,改正の趣旨がわかりやすく書かれていて,とても参考になる本のように思います。また,三木先生が「国税通則法改正の経緯とその真の内容」という序文を書かれていますが*1,平成23年12月改正の生々しい裏側をふくめ,とても興味深く読むことができます。無味乾燥な条文の裏側にある生き生きとした議論を感じ取ることができます。
 弁護士の先生方や税理士の先生方をはじめ,税務調査手続にお仕事で関わる可能性がある方は1冊必携の本と言って良いと思います。また,大学院で税法を研究されている方も,税務調査手続について学ぶ際にはまず参照すべき本となるであろうと思います。そんな貴重な本を贈っていただき,重ね重ねありがとうございました。私も読んで,三木先生のご指導を賜る気持ちで,勉強を深めたいと思います。

*1:この序文を事前に読ませていただいて多少のコメントをしたので,今回送っていただいたものと認識しています。お気遣いありがとうございます。