本日,東京地方税理士会横浜中央支部にて制度部の研修の講師を担当しました。今回の研修を実施するにあたっては,同支部制度部の先生方,特に神奈川大学法学部非常勤講師の大日方誠先生が大変にご尽力くださいました。誠にありがとうございました。
今回は,制度部の研修ということで,税理士制度に関してお話ししました。具体的には「税理士と税務行政のこれから:税理士制度と税務行政のデジタル化に関する議論の対応を主眼として」として,OECDで議論されている「税務行政3.0」などの税務行政のデジタル化に関する将来像のなかで,税理士という税務の専門家がどのように位置付けられるのか,という点を議論しました。議論するにあたっては,税理士制度に関する松沢智先生と北野弘久先生との間の議論を手掛かりとして,2つの視線からこれからの税理士のあり方について示唆を得ることを試みました。
税理士法については全く勉強したことがなかったですし,税務行政や租税手続法についてもあまり主たる研究対象とはしてこなかったので,今回の研修を担当するにあたっては正直にいうと不安もありました。ただ,結果として,準備の段階でとても勉強になりましたし,研修の後の質疑応答などの機会でも示唆に富むご意見をたくさんにいただきました*1。
また,下記の大学院のウェブサイトのページに「税務プロフェッション履修モデル」の記載があるとおり,今後,神奈川大学大学院法学研究科では税理士の養成に力を入れていく予定です。個人的にも,学部ゼミから税理士を輩出していきたいと思っています。このように今後の教育活動において税理士を育てていくことを目指すにあたり,税理士とはどうあるべきなのかという点について考えることができ,そういった意味でもとても有益でした。
研修の内容は,後日,本務校の紀要(神奈川法学)に今回いただいたご示唆を反映したうえで論文として投稿する予定です。その段階でまたブログ記事にしますので,ぜひご笑覧を賜れますと幸いです。
繰返しになりますが,横浜中央支部制度部の先生方,研修開催に向けてご尽力くださり,誠にありがとうございました。とても楽しい機会だったので,またぜひ何かご一緒できる機会があればとても嬉しく思います。今後とも何とぞよろしくお願いいたします。