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税法を勉強している藤間大順のBlogです。業績として発表したものについて書いたり,気になったニュースについて書いたり。概ね1回/月の更新を目標としています。

日税研メールマガジンに,第二次納税義務に関する判例研究を執筆しました。

 本日発行の日本税務研究センター(日税研)のメールマガジン193号に,判例研究を執筆しました。下記ページの「vol.193 第二次納税義務の対象となる無償譲渡等と財産分与<2023年4月17日発行>」というリンクから読むことができます。

www.jtri.or.jp

 扱った裁判例は,東京高判平成30年2月8日訟月65巻1号1頁です。ただ,実際には,原判決(東京地判平成29年6月27日判タ1462号74頁)の判示を本判決が引用した部分を主たる検討の対象としました。具体的には,本件で行われた財産分与は国税徴収法39条に定める第二次納税義務の対象になると述べた部分です。
 少し前の裁判例なので,ある程度判決についての議論は出尽くしているところがあります。そのため,今回の判例研究は,①先行研究をある程度網羅的に引用することおよび②当該判決が属する文脈を明らかにしたうえで,何を述べなかったのかを議論することの2つを主眼に書きました。②については,第二次納税義務についての別の裁判例*1について以前執筆した下記の判例研究の成果を活かして書きました。

taxfujima.hatenablog.com

 紙幅が限られていたので,これらの方針が上手くいっているかわかりませんが,ご笑覧を賜れますと幸いです。また,執筆の機会を賜り,日税研の皆さま,誠にありがとうございました。今後とも何とぞよろしくお願いいたします*2

*1:東京地判令和2年11月6日 判タ1495号187頁。控訴審判決は東京高判令和3年12月9日(判例集等未登載,LEX/DB文献番号25591274)。控訴審判決に関するブログ記事として,こちらを参照。

*2:なお,勤務先である神奈川大学大学院法学研究科として,この4月から日税研の大学会員になっています。こちらのリンクを参照。