先日公刊された本務校の紀要(神奈川法学54巻1号)に,「私的整理手続における債務免除と第二次納税義務:東京地判令和2年11月6日裁判所ウェブサイト」が掲載されました。
以前,下記記事でドラフトを公開していたものです。現在はドラフトは削除しています。
taxfujima.hatenablog.com
判決も改めて挙げておきます。
www.courts.go.jp
この事件は,中小企業再生支援協議会が関与する私的整理手続によって滞納者から債務免除を受けた法人に第二次納税義務が生じるとして処分が下されたものです。第二次納税義務制度の条文の規律が緩いことなど裁判所の判断にだけ理由があるわけではないのだろうとは思うのですが,全体として判決に問題が多いという論旨を述べました。判決文だけでは明らかではない事実関係について裁判資料を閲覧して述べたほか*1,債務免除益課税に関するこれまでの研究*2を応用した議論もしています。
現在係争中ではあるのですが,実務誌で紹介されており*3,注目を集めている事案だと思います。判決を読んでご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら,ぜひ私の判例研究もお手に取っていただけますと嬉しく思います。
(2021/12/24追記)
この事件について控訴審判決が出ていたので,下記のとおりに記事を書きました。
(2022/2/22追記)
この判例研究ですが,下記のとおり,本務校のリポジトリに掲載されました。
ご笑覧を賜れますと幸いです。
*1:コロナ禍のなかで資料閲覧を許していただいた裁判所には感謝申し上げます。
*2:拙著『債務免除益の課税理論』(勁草書房,2020年)参照。
*3:いずれも今年発行されたT&Amasterの872号および877号で紹介されています。